「あれ? もしかして起こしちゃいましたか? すみません」
「はあ? なんなんだ、こいつ。頭大丈夫か?」
「愛情が深ければ深いだけ、人は人を殺せる。いつか君にも分かる時がくるよ」
「……今の、皆には言わないで」
「ひとりで怖がんな。……話くらいは聞くから」
「こうやって僕の代わりに泣いてくれる人がいるから、たぶん、僕はずっと楽しい」
「もう、話すことは何もない」
「頼むから……見ないで……俺を、見ないでくれ……」
「……僕になんて言って欲しいの?」
「シシバがいなくなったら、見つかるまで探す。ずっと探す。シシバが見つかるまで、絶対に探すから!」
「僕だったら大丈夫だと思った? 何もしないと思った?」
「俺は、真実を見つけられなかった……俺のせい……」
「……ねえ、予知能力ってあったら便利だと思わない?」
雨は街を濡らし、人を濡らし、そして全てを流していく。早く見つけなければ……真実が、雨に流されてしまう前に……
「クズはひとりずつ見つけて、全員潰す」